控え室は、タレントさんのプライベート空間である。
・静かにすべき時、
・楽しく話す時、
・聞き役に徹する時、
様々なシチュエーションに柔軟に対応しなければならない。
まさに、距離感と、空気感、気遣いのコミュニケーションスキルが存分に試される空間である。ココをうまくやれるようになると、仕事は沢山リピートされ、チームとして重宝される。
例えば、控室内でマネージャーさんがスケジュールの話をし出したら席を外し、メイクの前半では衣装決め、後半ではマイク装着、アクセサリー決めの際は、
マネージャーさんに探されなくて良いように、目の届く範囲の所に居なければならない。
では、具体的に控室ではどう動けばいいか解説していこう。

《ノック》
皆さんはタレントさんの部屋に入る時に「ノックをするか、しないか」多くの人は【する】と答えるだろう。それは何故か、、、
理由は、「プライベートな空間に入るし、着替えてる場合もあるから当たり前」と答えないだろうか。
だとしたら、それは固定観念に縛られている。
津野はほとんどの控室のドアはノックしない。理由は、いちいち中の人が返事しないといけないからだ。ヘアメイクさんは、ノックされる度に作業を中断して返事し、ドアを開けに行かないといけない。。。
それが3回続くと「良い加減にしてよ。メイク終わらないんだけど。」と思うだろう。
ちなみに、着替えの時は、中の人が必ず鍵をする習慣にある。そして、TV局のタレント部屋目掛けて不審者が入って来ることもない。。。。
以上のことから、勝手に入るが正解だと思う。
《空間の把握》
控え室は狭い。基本7畳だ。そこに、複数体のコーディネート、メイクさんの10泊用のトランクが置かれる。そして、最低でもマネージャー、タレント、メイク、スタイリストの、4人が入る。つまり、息苦しいわけだ。
なので、スペース確保のため 衣装を決めたら不必要な服を室内から出している。
そして、基本的にメイク中は 作業が終われば外で待つ。たまに、外にいるはずのアシスタントが見当たらなくて、マネージャーから津野に電話がかかって来る事もある。困ったもんである。
必要な時にいなければ意味がない、、、。
という感じで、控室内では事務所/タレントを中心に、心地の良いパーソナルスペースを作るべきである。

《弁当》
TV局に申請した人数分の弁当が控え室には、置いてある。事務所の方は皆、親切なので 「どうぞお先に食べて下さい」と言われる。
タレントさんも食べていない中でオススメされて困るスタイリストもいる。しかし、津野は勧められたら必ず「有難う御座います」と伝えて食べる様にしている。
どんなに腹が一杯でも 勧められたら食べる。それが気を使ってくれた方への最高の恩返しだ。
遠慮して「後でゆっくり食べます。」と言ったら、気を遣ってくれた意味がない。
手をつける事で、ご厚意を無駄にせず、相手を気持ちよくさせないといけないと思っている。
この様に、控室は
過去培ったコミュニケーションスキルが試される空間だ。
人との距離感、気遣いに対する最高の返しなど、【相手を居心地良くするにはどうすればいいか】を真剣に考えて実行する。
蓄積された貴方の能力が発揮される機会である。師匠を見習ってうまく立ち回っていこう。
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