仕事は、基本コーディネートの応用

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昨日のブログでコーディネートの基本を明記したが、我々プロの世界となると、基本の知識だけでコーディネートを組むとNGを受けてしまう事も多々ある。

例えば色の話。

基本は色の比率を5:5にしたら「まとまりがない!」と思われるから避ける。しかし、ファーストサマーウイカさんのように、飛び抜けて奇抜だとわざと5:5に持っていって、とっ散らかって見せる事もある。服でスター性(異常性)を提案する時などがそうだ。

我々のお客様はスターだ。スターは周りに埋もれたらいけないので、奇抜さはマスト。しかし、基本のコーディネートが100だとしたら、100から200に持っていくのではなく120にして、世間に受け入れられる奇抜さに落とし込む。その調整感覚が必要である。

先日、武内陶子さんのテレビ東京「よじごじdays」(昼の主婦層の見る番組)で、ボーダーの服を着てもらったが、ボーダーまで一般的な服を着ても良いのか、ご本人は悩まれていた。。。

結果として掃除企画だったので、「主婦層に寄り添えるコーディネート」という事で、そのままスタジオに向かわれたのだが、「まるで一般人」の格好をさせてしまうと視聴者を服で楽しませる事が出来なくなってしまう。

タレント、スタイリストは、夢を演出するエンターテイナーなので、その辺は気を使わないといけない。

色の指定がある仕事も沢山ある。今日も3名の舞台挨拶のスタイリングで「各々にA🟠B🟢C🔴を取り入れて下さい。」という指定だった。

一般の方からこの依頼を受けたとしたら、色は1割〜2割に抑え、他はグレーか黒にする。しかも、色を入れるならパンツ・スカートにするだろう。

理由は下に色を持ってくるという思考自体が、一般の方にないからだ。そのため、簡単に少数派を演出でき、オシャレさんに見せる事が出来る。しかし、タレントはそういう訳にはいかない。

出来れば顔まわりである“トップス“に色を入れた方が制作は喜ぶし、カメラワーク的に画面に映りやすい。イヤリングや、靴で色を入れた所でお客様からは色が見えないから🆖である。

トップスに色を入れたら、勿論その他はモノトーンだ。しかも、黒は潰れて見えるので白を多用する。ちなみに、もう1色入れてしまうとテーマがブレるので、色を増やす事はない。。。

このように、タレントのコーディネートは特殊なので、コーディネートの基本では説明がつかない事が多い。

見てる人、ファンに向けて、カメラワークを考慮に入れてなど、複合的に考えて1つのコーディネートに落とす。

学生中にプロの修行が難しいのは、この点である。様々な制約の撮影を数多くこなす事でパターンが頭に入るが、少ないと身に付かない。このパターン応用がアイデアに繋がるので、出来るだけ多くのフレームワークを身につける事が修行である。

まずは基本をみっちり勉強し、土台を作る事が第1ステップ、それから応用に転じていこう。

スタイリストはコーディネートを上手く組めるは当たり前、その上で先方の要望をどれだけ汲み取れるかが、出来る出来ないの別れ道。沢山のフレームワークを頭に入れて応用出来れば、対応力のあるスタイリストになれるだろう!!

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