編集者の意地

プロフィール

ファッション雑誌の「ジュエリー企画」のスタイリング仕事が金曜夕方に入った。撮影は数日後の水曜日。編集部は撮影までに平日が2日しかなく慌てた様子。そりゃそうだ、企画を固め、カメラマン、ヘアメイク、スタジオ、弁当を早急に手配しないといけない。

こちらも直ぐに、企画の細かい内容まで聞きたいが、タレントスケジュールが取れた瞬間に津野に連絡している為、「ジュエリー特集」という事しか決まっていない。おそらく「タイトスケジュールでも津野なら何とか形にするだろう」と思ってくれたに違いない。

「どんなページ構成にするのか」、

「どんなカットにするのか」はコレからのため、翌日昼にオンライン打ち合わせとなった。

弊社は、この辺のスケジュール感には慣れている。平日は月曜、火曜の2日しかない、、、。基本的に当日アポは嫌われるので、月曜朝から連絡を入れる。火曜日に全て集め切らないといけない。アシスタント3名と津野で総攻撃だ。車3台を使って一気に集める。

月曜日は当日アポが入らず、火曜日1日でジュエリー100点を集めた。

当然ジュエリーは、むやみやたらに集めた訳ではない。価格帯、カラーバリエーション、ファッション誌のクライアントリスト(本を作る為の広告費を払っている会社)を考えながら集める。

集めたジュエリーが、「広告費」を出していないブランドだったら、お金を出している会社が浮かばれない。そこは、大人の事情を考慮に入れながら集める。

最低限撮影は出来るだけの量は集めたので、安堵して、前夜にコーディネートされた服とジュエリーを合わせ1枚の写真にして6ページ分の画像を編集に提出した。

タイトスケジュールで集める時は、効率よくブランドにお声がけしないといけない。月曜日の朝には各ブランドにメールを送り、返信のあるブランドから順にリースアポを入れていく。

「リモートワークで出社しない人」、「打ち合わせで外にいる人」などブランドにも事情があり、スムーズに段取れないこともある。クライアントリストの所だけでもなんとか、早目に入れたいがそう上手くはいかない。

リストのブランドが入る度に編集部には連絡は入れていたが、どうしてもフォローしたいブランドが入らずに編集部は、「何故リースが入らないのか」「相手がどういう状況なのか」「なんとかメンズだけ、レディースだけでも借りれないか」など突いて来られる。

この辺は「流石だな、、、」と思う。いつも雑誌作りを支えるブランドに、恩返しがしたい一心だからだ。

この辺りは「見習うべき姿勢だ、、、」と感じた。一度断られたからと言って諦めて引いてしまうと、結果として掲載はなくなる。

貸さない判断をしたブランド側のプレス担当は良くても、その事情を知らない広告部は怒るだろう。だって、広告部が、頑張って出稿までもっていったのだから、、、。

ブランド側も同じ会社とはいえ、PRESSと広告部はやる内容が全く違う。仮にPRESSが怠惰な人間だったら、一向にアポイントは入らないかもしれない。そこはスタイリストがゴリゴリ行く所なのかも知れない。

撮影日当日、現場に行くや否や編集の2人から抱きつかれる程に感謝された。「こんなにタイトなスケジュールで集めてくれて有難うございます‼︎助かりました‼︎」と。

撮影はコレからだが、仕事はこの時点で成功した様なものだ。この瞬間が一番嬉しい☺️

結局、編集部の借りたかったブランドが何件か足りず、タレントのメイク中にジュエリーを追加リースもしたが、無事に事なきを得た。後日、ジュエリーの物カットだけ「追加集め」が発生するかもしれないが、95パーセントは終わった。

それにしても、編集者のフォローリストに対する諦めない対応には感謝した。「この様な編集者がいたら、ブランドとしても安心して出稿できるなぁ」と思うのである。

何事も相手の気持ちを察して、同じ気持ちで物作りをする熱量が必要。その想いを忘れずに、他媒体でも相手の気持ちを考えれるスタイリストでいたいものだ。

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