芸能を営むスタイリストにとって、サンプルセールは撮影よりも大事なイベントかもしれない。5月は年に2回のSALE時期。ss➡️awへの季節の意向で、古い季節のサンプル(モデル撮影用に作られた1型)を原価以下で捌く時だ。
基本は70%OFF。中には90%OFFもあれば、このタイミングで売れなかった商品も加えて50%OFFで売る店もチラホラ。基本服の原価は30%〜40%なので、それでも服屋は10%以上は上がりの出る計算だ。
サンプルだけ作って商品化しないアイテム(展示会で全国のバイヤーが「買う」に印をつけなかった物)もSALE会場には並ぶので、日本に1点しか無い物も出て来る。
芸能のスタイリストは基本的に、一般とは一線を超えたデザインのアイテムを使いたがる。よって、SALEは、またと無い機会である。
出来ることなら朝イチに並んで、良い物を総取りしたい。スタイリストは毎日服を見ているので、どれが使えるアイテムで、どれが使えないアイテムかなんて一目瞭然。普段のリースで培った目で会場を10分練り歩けば、該当の商品をピックアップ出来る。
最近は物珍しいデザインの服も増えたので、たまに試着はするものの ほとんどは着ないで購入を決め、1番か2番にはレジに並んでいる。
大抵1番早くレジに並ぶ客は、ブランドの常連顧客よりもスタイリストだ。流石である。

SALEで買ったものはカレンダー、写真集、グッズ撮影などに回す。つまり、SALEは先行投資。最近はスタイリストのやるリース屋も増えたので、他のスタイリストに貸したりもする。津野がリース屋をやっている事を知ってるプレスの方は、からかって「太客きた!!」と言ってきたりもする。
使い終わったサンプルを売り捌きたい洋服屋と、買いたいスタイリストの両者がWin-Winな、素晴らしい取り組みだと思う。
「中にはSALE会場で買ったものをリースしたら、駄目です」とお達しのある洋服屋もあるが、極々少数派。
何故少数派かは、リース屋の顧客はほぼ全てがスタイリストだからだ。98%はスタイリストが借りに来る。たまに、タレント、美容師、ヘアメイク、カメラマンが作品撮影として借りに来るが ほぼない。
という事は、結局リース屋が買おうが個人のスタイリストが買おうが、どっちにしろスタイリストが使うことになる。
スタイリストの中には、家が服だらけになるのが嫌で、「SALEでは自分が着る為だけに買う」という割り切った方もいるが、津野は毎日同じ格好なので自分の為に買う事はない。ほぼ全てが仕事への投資である。

ここで、SALEで沢山買うべきスタイリストと、買うべきではないスタイリストに分けて解説しよう。
(自分の服として買いたい人は除く。)
買うべき人は、まずはインスタをやっていないメンズを担当するスタイリストだ。昨今スタイリスト業界の貸し出し条件は、タレント本人のインスタのタグ付けが1番の主流。それが出来ない人には貸さないから、SALE時期に買っておく方が命拾いする。
男女ともに、イベントやグッズ撮影が多いタレントを担当する人も買うべきである。インスタタグ付けが出来れば、グッズ撮影でも借りれるが、好きでも無いコーディネートを紹介したいタレントはいない。スタイリストが全て完璧なスタイリングを持っていけるわけでは無いので、タレントが納得していないのに「タグ付けお願いします。」とは言い辛いものである。
しかも、これが続くとリピートも切られ兼ねない。極力タレントから「タグ付けしたいです。」と言われないものに関しては、強制タグ付けは嫌がられる事を覚えておこう。

買わなくて良いスタイリストは、ファッション誌をガンガンやるスタイリストだ。ファッション誌やファッション系のWEB媒体だと、洋服屋は喜んで貸す。なので、借りれなくて困るのは、年に2ヶ月くらいだ。
この2か月というのは、サンプルの入れ替え時期で世の中に服がないのに、今の季節の服を編集部が望む。この期間は電話しても、電話しても、「SALEで売り切ったから服が無い」と言われる。なのに、編集部は,服を借りる為の予算を作ってはくれない。。。そういう時には私物を活用するのである。
芸能でいうと、超有名人をやるスタイリストも買わなくて良い。理由は、PRにならなかったとしても「着てくれた。」という事実だけで貸してくれるパターンがあるからだ。ウチが預けてるPR会社も、「このタレントなら、タグ付けが無くても貸しますね」という許可取り連絡が来ることもある。
まぁ今は画像でブランドが検索できる時代なので、着用してくれた画像さえあれば、ブランド名は導けるから、🆗というパターンだ。
この様にSALEに足を運ぶべき人、運ぶ必要のない人は別れる。ちなみに、津野はオールジャンルを行うスタイリストなので、買っていないとOUT。今日も元気にSALE会場に足を運ぶのである。

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