存在を隠す裏方

プロフィール

今日撮影を共にしたメイクさんは別現場でお会いした方。以前は女性アイドル、今回は男性アイドルだった。話の流れで男性アイドル本人に「以前女性アイドルで一緒だったメイクさんで、、、」と関係性を伝えた。

話が1段落した後に、メイクさんから『津野さん有難う御座います!私、男性アイドルのヘアメイクチームでは、【他の人をやっている事】【自分の素性】この2点は伝えてはいけない決まりになっているんです。』と言われた。

「え、、、なんかごめんなさい。。。」と伝えたら、『いえ、伝えて貰って嬉しかったです。』と言われた。実に不思議な会話である。

メイクさんは単独で動く人もいれば、チームを組んで動く人もいる。各チームのBOSS敵存在の人が複数の仕事を請け負い、フリーランスで構成されたチームメンバーに仕事を振る仕組み。例えば、大型のユニットをメイクする時には全員稼働して乗り切る。BOSSの中には手数料を取る人もいれば、取らない人もいる。

このピラミッドが完成すると、仕事を多く取る人と取れない人が二極化する。取れる側に回れば御の字だが、取れない側に回ると横の広がりは制限される。。。どのフリーランスも横展開は狙っているだけに厳しい話だ。

「会社で仕事を受けて所属の人間に振る」のは当たり前だが、フリーランスで構成された集団で、トップだけが仕事を取ると、格差が広がる。仕事を取ってこれる人間が1番偉いという事か、、、弱肉強食である。

津野も仕事がない時期は、大先生達に仕事を振ってもらっていた。スケジュールが空いている時は、好きな仕事でお金を稼げるので、大変有難かった。手数料を取られる中で,どれだけ上手く衣装費を押さえるかが肝で、そこに命をかけた。しかし、いつまでもこの状態を続けてはいけない。。。別でルートを探し、切り開いて行く必要がある。

仁義のない人間は、BOSSから頂いた仕事の関係者から拡げていこうとするが、上記のような統制の取れたチームでは、それは厳しい。だとしたらマネージャーや制作ではなく、津野みたいに カメラマン、スタイリストなどの“スタッフ”からルートを広げていけば良いのに、、、とも思う。

そうでもしないと新参者は広げようがない。。。

津野のアシスタントは容赦なく津野の客を取っていく。「取っていく」という言い方は良くないが、いつもいない津野よりも、いつも居てくれる慣れ親しんだ人の方が依頼者も気楽なのだろう。

それはそれで仕方のない事だ。過去何人もの独立者が「津野さんのお客さんなのに、すみません。依頼が来てしまって、、、」という連絡をしてくる。連絡をしてくれるだけ優しいが、気にする事はない。

世間にはそれを嫌がる師匠もいるらしいが、依頼が来てしまった時点で“津野よりも魅力がある”という事であれば、師は引くしか無い。去る者を追っても虚しいだけである。そうやって数々のお客様を失った。ただ、弟子が自分のお客様を引き継いで担当するのなら、誇らしいことである。

結論、チームにがんじがらめのフリーランスは、BOSSには迷惑をかけないルートで、道を切り開くべきである。それすらルール違反というのなら、そのチームは外れよう。そして、別のチームに所属するか、バイトをしながら飛び込み営業しかない。

いつまでも籠の中はNGだ。津野はほぼ全ての仕事を独自のルートで開いてきた。マネージャーからスタイリストになったのは大きいが、そのルートでなくても ヘアメイク経由やカメラマン経由で紹介して貰った。

身近なスタッフに、気に入られれば必ずあなたの事を自然と紹介してくれる様になる。気に入られるにはトークしかない。居心地の良い空気を作れば必ず道は開けるだろう。

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