スタイリストは独立すると、そこから自分で頑張るしかない。当然初めは満足する量の仕事はない。アシスタント時代に世話になったマネージャー、制作、出版社に声をかけて運がよければ仕事を頂ける。
基本的に、全てのポジションは埋まっている。誰も貴方の独立を心待ちにしている人はいない。
例えば、タレントAさんに声をかけても、「いつもスタイリングして貰っている人がいるので、今はちょっと、、、」と言われて終わりだ。
ファッション誌に連絡しても「タイミング合えば是非」みたいな牽制(けんせい)を受ける。
声をかけても仕事が来ることは保障されておらず、暇で軽度の鬱症状となり、そのままスタイリスト業自体を辞めてしまう人もいる。
津野は「魚を渡すよりも、魚の取り方を教える」事をメインにしている為、自分で取れるように発信しているし育てているつもりだが、仕事を取れるか取れないかは、ぶっちゃげ人によるのが真実だ。運良くトントン拍子で稼ぐ人もいれば、じっくり時間をかけて稼ぐ人もいる。
時間をかけて仕事を取る人も、時間が経ち過ぎると闘う意志さえも失ってしまう事もある。難しい問題である。人は「暇と孤独」には耐えられない。。。
その時にふと思うわけだ、いきなり「どうぞ独立して下さい。」と業界に放り出す事が正解なのだろうか、、、と、、、。🤔

今まではそうしてきた。「1秒でも早く、毎日1000件届くLINEグループを卒業させてあげたい。」「自由な時間を与えてあげたい。」それが、数年頑張ってくれた事への感謝の表れだと思っていた。。。
ただ、解放感が持続して 幸せな時間を満喫出来るのも初めの1か月が限界。アシスタントを辞めてすぐにバイトでも決めれば、暇を持て余さずに過ごせるが、少しでも自分の可能性を信じてスケジュールを空にしていると、そこに空虚感が入り込む。たちまち焦燥感が蔓延し、不快になる。
そのような卒業生を側で見ながら思う。いきなり放り出すのではなく、アシスタント仕事を継続させながらも、少しづつ自分の仕事を増やしていって、スケジュールがある程度埋まるようになってから、世に放つべきなのではないかと、、、。例えば月に10本自分で取れる様になったら、月に30万〜40万円は稼げる。

自分もアシスタントだったから分かるが、アシスタントは兎に角 解放されたいと思っている。師匠の重圧、責任、おびただしい程の連絡から解き放たれ、全ての行動を自分で決めれるようになりたい。例えバイト生活になったとしても、バイトの方が稼げるし、なんならそっちの方が安定するからである。
そもそも独立を目指して数年間頑張ってきたわけで、「目標を1秒でも早く達成させ、迫り来る勝負の期間を全うしたい。」と思うわけだ。
しかし、実際に解放されたらテレビ局、スタジオ、ロケ現場に行く機会は激減し、業界関係者に全く合わなくなる。
「仕事を振ってくれる人に1か月誰にも会っていない、、、」なんて事はザラで、師匠に「お金いらないんで、現場の手伝い行かせて頂けませんか?」なんて言い出す。
運良く師匠が🆗してくれたら、そこで「お久しぶりです。」の挨拶をかまして、そのマネージャーの同僚を紹介して頂けるように打診する。。。
それで実際に繋げて貰っても、結局は後日「スタイリスト不要」の連絡を頂き、また振り出しに戻る。
こんな感じ、、、。
各芸能プロダクションのマネージャーが わざわざ足繁く局に通って、営業し経費を使って接待をするように、人は会っていない人を悉(ことごと)く忘れていく生き物だ。
例えば,貴方も土日空いたからと言って、中学の時の同級生を思い出して連絡する事はないだろう。。。高校や地元の同級生もいる中で、中学の同級生をピンポイントで選ぶ機会は少ない。
スタイリストも3000人いる。貴方よりも実績のある師匠クラスがひしめく中で、、、マネージャーが貴方をピンポイントで選ぶだろうか。
正直、半径5m以内に居ない人にわざわざ仕事を頼もうとする人はいない。頼むとしたら本当に困った時くらい。。。ただ、「スタイリストがキャスティング出来なくて本当に困る」なんて事態が実際にあるかと言われれば、少なかったりする。
理由は、当日メインのヘアメイクと違って、服は衣装渡しでも最悪成立するからである。

津野は兎に角 解放されたかった。しかし、それは給料が安く(月9.8万)。師匠との相性が悪い時。津野はぶっちゃげこの両方だったが、
かたや弊社のアシスタントは月30万以上の給料があり、師弟関係も悪化していない、、、。だとすれば、会社に残りながら、仕事を徐々に増やして行くことも選択肢の1つ。
アシスタント本人の意思を聞いて、【本人が希望すれば】の話だが、例え人手が足りていても 助走の1年〜2年は、残してあげる方法も考えてあげて良いのかもしれない。
ヘアメイクの佐藤厚基が最近言ってくれた言葉を思い出す。
「津野さんが健康であれば、日本のスタイリスト人口の増加が期待できる。」
この言葉には正直泣けた。とても嬉しい一言だった。カメラマン故 渡辺達生さんの様に、日本で1番スタイリストを出したスタイリストになれると幸い。(下記参照、弟子達と写真を撮る達生さん。インスタ残してくれて有難う御座います🙇)
せっかくなら弊社から独立したスタイリストをスタイリストとして、一生を遂げさせたい気持ちである。
とはいえ現在は人手不足なので、残ってもらわないと困るのだが、、、😅


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