「津野さんメイクさん紹介して下さい。」とプロダクションの社長に言われた。
多く有りそうで、少ないシチュエーションだ。ファッション誌をやっていた頃は、編集部から良く言われていたが、今はドップリ芸能界に染まったので、そのような機会は減った。
各プロダクションには、囲われたメイクさんが複数人いて、独自で選ばれるからだ。
たまに、「繋がりのない新しい風を入れてみたい。」とか、「いつものメイクさんが取れない」みたいな緊急事態に頼まれるが、これは新規を取るヘアメイクにとってはチャンス到来の瞬間である。
ではココで津野が誰を選ぶか、、、この基準はマネージャーが“スタイリストを選ぶ基準”と似ている気がする。
先ずは、タレントの性別、年齢、空気感を基に整理する。当然だがタレントの状態、性格に話を合わせる事が出来ない人は紹介しない。年齢が離れていても、性別が離れていても良い。空気の良い事がマストである。
どの年代の人とも性別関係なく、尊厳を持って話せる人かどうか、、、ここが大事な所だ。簡単にいうと、“良いやつかどうか”コレが1番だ。「誰から見ても良いやつ!」これが絶対条件となる。
2番目に実績。歴史があるか、下積みを頑張ったか、どういうタレント・雑誌をやって来たかを見る。
3番目に、都合をつけてくれるか。受けれなかったら悔しがってくれるかもみる。「良い機会を与えてくれて有難う」と言ってくれそうな人を選ぶ。つまり、完了報告ができるかどうかだ。
津野は沢山のメイクさんと仕事をしている。その中から総合的に見て良い人を選んでいる。津野からの仕事発注に喜んでくれる人は、今後誘い易くなる。

昔は下心で指名していた。「Aさんは沢山の媒体をやっている。だから、今回恩を売れば(仕事をプレゼントしたら)返してくれるかもしれない、、、」など、打算的に人を見て、心理的駆け引きを計る感じ。
しかし、過去様々な媒体で打算的にスタッフを指名したが、目星い媒体で恩返しされた事はほぼない。
15年のスタイリスト人生の中で、人は必ずしも全員がギバーではなく、貰ったら貰いっぱなしのテイカーもそれなりにいることを知った。
だとしたら、津野とお客様が気分よく仕事が出来る“良いやつ”が最適である。勿論技術がチャランポランはダメだが、“良いやつ”であればそれで良い。
結果として、今回のクライアントさんは大変満足されたご様子で、「良い人を紹介頂き有難う!!」と喜んで帰って行った。

まとめると、人を指名する時は【良い人】かどうかで選ぶ。良い人とはバランスの取れた人だ。
【技術、清潔感、ハキハキ、トーク力、真心、心地良さ 】全てをバランスよく持ち合わせて、初見でも必ず満足させてくれる人。そういう人を選ぶ。打算的に言うと、津野の名前を更に格上げしてくれる人、、、というべきか。。。そういう人である。
更にスケジュールが取り易ければ1番良い。今回紹介した人は、恐らく撮影の枠に“違う予定”が入っていた事は読み取れた。
「ちょっと時間下さい」と試行錯誤してくれたからだ。その内容は聞いてはいないが、この【なんとかする力】も見捨てる事は出来ない能力。そう考えると“頼みやすい人”って限られている。確率的には、クラスに1人いるかいないかだろう。
選ばれる側としては、先ず選ぶ人の頭の中に出てこないといけないわけだが、頼みやすい人というのは、総じて津野以外からも沢山頼まれてて忙しいものだ。どんな人からも同じ様に「頼みやすい」と思われている。
頼みやすい人はどういう人かを想像しよう。表情豊か、余裕あり、気前が良く恩に深い、誠実、もし今の仕事で、沢山の人から沢山のことを頼まれる人は、もしかしたらスタイリストに向いているのかもしれない。

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