「スタイリストとして、見ないといけないジャンルの映画だなぁ」と思いながらも、公開終了ギリギリになってしまった事を深く反省する。。。
上映後に真っ先に思った感想は、「これは大変だっただろうな、、、」である。完全にスタイリスト目線。スタイリスト業を長く経験したからこそ分かる、様々なブランドへの許可取りに頭を抱えた。。。
使われているブランドはDIOR、ブルネロクチネリクラスのハイブランド。その周辺クラスのブランドを使うとなると、まぁ大変。
例えば雑誌だと。どのブランドが並びに来るのか、ページの先頭はどこのブランドか、1ページ1カットか、、など とにかく細かく出方を聞かれる。
今回の映画でも どんなカットで使うのか。尺はどうか。誰が着用するのか。など細かく聞かれたに違いない。
それを1つ1つ本国に確認して、折り返してを繰り返し、借りたいLOOKが 他媒体で貸し出されて1か月戻って来ない、、、なんて事もザラにある。その中で集められた服が、場面に合うか監督の意向と擦り合わせて、、、やっと撮影となる。
上記の膨大な業務量をたかが2,000円で観劇出来るのは本当に安い。。。
仮に自分にこの作品が舞い降りたらアシスタントが10人必要だ、、、と思った。。。

ミラノコレクションに出張に行くシーンは、怒涛の着替えラッシュ。どう見てもハイブランドばかりで、大変迫力があった。
「こんな素晴らしいコーディネートを2秒しか見せないのか、、、」と驚いたりもした。ショーのシーンも本番さながらにリアリティがあった。
各コーディネートの合わせに関しては、「自分だとこのスタイリングはしない、、、」などはあったが、、、大変見応えのある作品だった。
果たして、このクラスの作品を日本で作る事は出来るだろうか、、、正直厳しいと思ってしまう。例えば、「ハイブランドを着るキャストの知名度」「世界的アーティストの出演」だけをとっても、日本では太刀打ち出来ない気がする。
ファッションの最高峰を届けるランウェイのシーンで、世界的なモデルがグルグル会場を歩く中、レディガガ氏がセンターで派手に歌うクライマックスは圧巻であった。まだ見ていない人は是非見て頂きたい。
1つ残念なのは、字幕を追う事で服をマジマジと見る時間がないと言う事、、、。そう言った意味では2回3回見れる作品なのかもしれない。

AIの波がきて、古き良き時代のファッションが力を失い、ランウェイが無くなって行く寂しさを上手に描いた作品だった。
個人的には「時代は変われど、ランウェイのエネルギーは無くしてはならない」と思った。あの迫力こそ、ファッションのもつ力である。
映画内でも描写のあったように、今はハイブランドの服を買う人は減り、ハイブランドの小物ばかりが売れる時代。そこに多少の寂しさを覚える。
ハイブランドの服が全てではないが、ドメスティックの服であろうとも せめて、渋谷、原宿、新宿くらいはファッショニスタの集まる聖地として、行き交う人々が、好きな洋服をランウェイのように着こなす風景を見てみたいものだ。
「派手な街に派手な服装で、、、。」が文化になれば大変エネルギーのある街になるだろう。
世界的に見ても、アメリカ、ヨーロッパ、アジアのファッションが入り混じる日本は、世界1オシャレな国と言われている。
この評判を以降の時代でも守り抜いて欲しいと思う。
もう一度言わせて貰うが,スタイリストの立場から見て、この作品の服のリースは死ぬほど大変である。その苦労もいとわず、キラキラする作品を見せてくれた製作陣には厚く御礼申し上げる。
またこのようなシリーズの映画が、今度は日本から生まれてくれたら、是非参加してみたい。
プラダを着た悪魔のスタイリストへ。本当にお疲れ様でした。👏有難う!!

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