専門学校出身でも、社会人出身でもスタイリストにはなれる。
現に津野は大学→サラリーマン→スタイリスト。
専門的な事も3年みっちりやると、そこそこになるものだ。
なので、「未経験でもスタイリストになれますか?」に関しては「なれる」と言っている。
ただ、もし贅沢を言っていいのであれば、入社前に「サイズ感」だけでも覚えてくると、業務はめちゃくちゃ楽になる。
正直、ここに関しては諦めているが、どのアシスタントも初めは「サイズ感」が分からないようだ。
過去にスタートの時点から、サイズ感が分かる人には会った事がない。
自分自身のサイズ近辺しか、分からないようだ。
芸能界には185㎝の人もいれば、140㎝の人もいる。
その全ての人にサイズを合わせないといけない。
つまり、サイズのDATAを集めまくる必要がある。
例えば、185㎝の人のTシャツが置かれてあったら、
「このサイズ感がぴったりなのか!!」と穴が空くほどみる。
140㎝の人のスカートが、置いてあったら「これで膝丈か、、、」
これを事前にやってくれてると、本当に助かる。
なぜなら、ここを教えるのに1年かかるからだ。
例えば、メンズのパンツとかになると、めっちゃくちゃ難しい。
サッカーや、ラグビーをやっていた人はモモが太く、普通のストレートパンツが、タイツになる。
タイツになってしまったパンツは、勿論着てはくれないし、白い目で見られる、、、。
事前に「サイズ表貰えば分かるだろ?」と思われるが、サイズ表は頻繁に更新しているわけではない。それにサイズ表のフォーマットは事務所により大きく違う。
全ての部位の数字が書いてあるわけではなく、分からない部位もある。
この前プロフィール撮影した有名なモデルなんて、30歳だったが、16歳から更新していないと言っていた、、、。
更に俳優は役によって、身体が大きく変わる。
鈴木亮平君なんて、「天皇の料理番」の際に57㎏で、その3週間後収録スタートの「俺物語」では90㎏だった。
こうなってくると、推移するタレントの体型に合わせていける「目利き」が非常に大事。
具体的には、服を見た瞬間にサイズ感が分かるようになってくれると、アシスタントを始めるなりロケットスタート出来る。
男女両方のスタイリングをやりたい人は、逆の性別のサイズ感をほど難しいので、そこを重点的に見て欲しい。
ちなみに、弊社から7名のスタイリストが独立したが、「メンズを良く勉強したな。」と思えるのは2人〜3人だ。
日々、目の前に異性の服があって、仕事として動いてもこれだから、よほど意識的に頑張らないと習得できない。
意識的にとはどういうことか。
例えば、
「タレントがアンダーウェアになった瞬間に生のモモの太さを見てるかどうか」そういうところだ。
津野は「見てはいけない状況と分かりつつも、意識的に見るようにしている」
そのコンマ何秒で判断する【モモの太さ】を見逃さないことで、コレから履かせようと思ったパンツをAからBに瞬時に変えることが出来る。
タレントも履いた瞬間、嫌なシルエットのパンツだと、即座に違和感を覚える。そうなってはプロ失格である。
残念ながらレディースの着替えには入れないが、着替え終えて出てくる瞬間に、ブカブカを つまんで来ないアシスタントには、キツく注意する。
タレントに「サイズ分かってない!」と思われない努力はするべきである。
色、バランス、シルエット
この3点を押さえた時にコーディネートは華開く。3点のうちの2点に重要な意味を持つ「サイズ感」は早いうちから習得しておいて、損はない。
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