ヤマダカツラというヘアメイク会社がある。ドラマやバラエティ番組のヘアメイクをやっている会社だ。ここ出身で独立された方とチームになる事が多いのだが、全員が全員気が効く。これは間違いなく、ヤマダカツラさんの教育あっての事だろう。しかも、めちゃくちゃ気が効く。
彼等の気遣いを側からみていて、若い時代に会社から厳しく躾けられた人は強い事を知る。
昨日のモデル撮影は、雑貨屋の内装と外壁の写真を撮った。先に外から撮って、中を撮影する順番。外撮影が終わった後、エプロンをつけて中撮影という段取りだった。アシスタントは外撮影が終わった瞬間に、外でエプロンを付けようとして注意を受けた。
「中に入ってから、エプロンを付けないと風で髪がボサボサになる。」と。。。メイクさんに対してリスペクトが足りないという事だ、、、仰る通りである。
代わりに謝罪したが、彼等は先を読む能力が異常に長けている。先が読めるという事は イコール仕事が出来るという事なので、「良き教えを施してくれた」と感謝した。
気遣いは訓練で何とでも出来る。津野も若き日に、
・ご飯を奢って貰ったら3回御礼を言え
・社長を見送る時は、車の前を走って人を止めろ
・荷物を持ってあげる時は、お声がけせずに勝手にやれ
と色々と教えて頂いた。
マネージャーなんて気遣いの最たる仕事だ、
・タレントが歯磨きを始める前に、「口をゆすぐ紙コップを洗面台に置いておけ」と怒られた事
・タレントが台詞に詰まって咳き込んだ瞬間に、水を持って行かなくて叩かれた事
・ご飯を食べ始めてから、口を吹くティッシュを手元において、上司から「お前はタレントからわざわざ【有難う!】と言われたいのか?誰が置いたか分からないが、口を拭くティッシュが側にあるという状態にしとけよ。それが本当に出来るやつだ。」と教えられた事もある。

様々なケースで、「先を読め!先を読め!」と耳にタコが出来るくらい怒られて、やっと出来るようになっていく。
それでもヤマダカツラ出身の方のように、気遣いは出来ない。それを思うと、「厳しい環境なのだろうが、本当に素晴らしい会社だ」と思うのである。
自分の過去を振り返ってみても、もう少し厳しい環境にいれたら、もっと成長出来たのかもしれない。と悔やむ事もある。
元気しか取り柄のない、金もない、名誉もない若い時代だからこそ、無理もきいたし、急激に吸収出来た。これを思うと
「20代に急激なストレスを与えられ、勉強した人の方が、後の人生は幸せだ、、、」と思う。
これを30代、40代になってからやろうと思っても厳しい。既に当たり前の基準が違うからだ。長い年月をかけて培った「当たり前」を壊す事は出来ないものだ。
人は仲間意識が強い生き物なので、「貴方も大変でしょ、私の大変も聞いて」と共感しがちだ。
だからこそ、同じように社会に飛び出した同期も怒られている20代前半に、同じ様に怒られまくった方が納得感がある。そして、共に成長していける。

弊社のアシスタントには、弊社なりの気遣いや配慮は教えるが、ヤマダカツラに比べたらレベルの低い配慮だ。そこに関しては、最高峰をお届け出来ない事は申し訳ない。
例えば、控え室のドアを外側からノックされて、マネージャーがわざわざ扉を開けようものなら、
「お前でも動けることだろ、、、クライアントにやらせるな」と下はボコボコに怒られるだろう。ただ、その他の部分でウチで勉強になる事もある。
例えば
・クライアント、タレントとの接し方
・段取りを間違えない仕事の進め方
・ゲロが出るほどの、情報処理
その辺りに関しては、十分体験できる。どんな人間にも、向き不向きがあるものだ。津野は昔から「気遣い過ぎるのは、逆に相手を困惑させる。」という考えで生きてきた。
気遣いよりも、どれだけ早く相手の心に入っていくかの方を研究した。よって、気遣いを全くせずに、失礼に振る舞った方が効果的な事も知っている。
例えば
「課長には丁寧にいけ!社長には馴れ馴れしく行け!社長は丁寧に飽きている。」という定説もあるように、人によって柔軟に対応を変えていける天才に憧れた。したがって、気遣いは おざなりになってしまったのだ。
しかし、今回のように気遣いが出来る人の動きを見ていると、やっぱり関心するのである。
気遣いができる上で、柔軟に対応出来る人間を目指すべきだったのかもしれない。

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