独立して間も無い時にNHKの番組に、スタイリスト10人呼ばれて出演した。その際に隣に居たスタイリストAさんと、映画の宣伝バラエティ番組で一緒になった。
ほぼ同期のスタイリストと一緒になると、スタイリスト生活の昔話となる。Aさんから、「津野くんの先輩って今もスタイリストやってる?」と言われた。
津野の先輩は10人居たという話だが、7名はスタイリストを辞めている。花屋になった人、レザー職人になった人、農家になった人など様々。
津野も44歳となった今、同期は15年〜20年スタイリストを続けている事となる。それだけの年月が経つと、既に違う道へ行った人も多数である。
Aさんのところの師匠は、だいぶ前に辞めて別の事をやり、先輩も洋服屋になったり、他の事をやったりで、ほとんど辞めているそうだ。
20年という年月は人の職業まで変える。

辞めた方の理由を聞いたところ、
「辞めても他の職業で、同じくらい稼げるから大丈夫。」とか、「服が好きだっただけで、人が好きなわけではないから」という理由だったようだ。
たしかに、他の職業でも生活が困らないのなら、やった事ない職業にワクワクする気持ちも分かる。
ただ津野としては、「こんなに好きな仕事で生活出来る仕事は、そうそうない。」と思っているので、辞める理由が全くないというのが正直な話だ。
独立してそれなりに仕事をしていた人ですら、20年後スタイリストをやっていない可能性を考えると、これからスタイリスト業界に入ってくる方は、
スタイリスト業に対して、意気込まなくてもいい。
軽い気持ちでやってみよっかな、、、で良いと思う。
アシスタント期間は「安い、長い、辛い」かもしれないが、それでも良いのなら、サクッと片足入れてみよう。
スタイリストの先輩方は、別の道に進んでも元気に生きている。中には女優さんと結婚して、趣味を仕事にして生きている人もいる。
世の中は今や多様性。今後の日本では、ひとつの仕事で人生を終える人は意外に少ないのかもしれない。
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