スタイリスト業は衣装費と隣り合わせ。例えばテレビだとギャラは3万円。その中で衣装にかかる費用も捻出する必要がある。ぶっちゃげメイクさんも3万円なのは意味不明だが、そういうものだから仕方がない。
それ以上に多く取ろうとすると、仕事は来なくなる。
舞台 挨拶は5万〜10万が相場だが、媒体から指定が入る事も多い。今回は青いスーツで、今回は刺繍の入った黒でなどなど、、、限定されると窮窟ではあるが、数多ある候補から絞れるから有難い気持ちもある。リサーチの時間削減になるのだ。
しかし、限定される事で集めれる物量が減るのが難点。そのため、思うように集まらなくて衣装費を多く使う事がある。
ここからは、スタイリストの分かれ道だ。
利益を押さえてでも良いコーデを持っていくか、利益最大化を狙って衣装費を押さえたコーデを持っていくか。
コーデに厚みを持たせるアーティストタイプのスタイリストは、「今回の撮影は仕方ない」と諦めて、その衣装費を他の媒体で取り返そうとしたりする。
しかし、今回は仕方ない。今回は仕方ない。と言い続けたらどうなるかは、理解出来るだろう。
人は雇えなくなり、生活は苦しくなり、イライラし出す。そのうち、仕事が嫌になる。

弊社は、各媒体毎に必ず利益を出せるような仕組みを取っている。「あのリース屋がダメなら、このリース屋。リース屋がダメなら、次は古着屋をあたる。」などなど、必ず手残りが有るように思考をこらす。
どうしても利益が出せないなら、媒体側に交渉する事もある。
年に1撮影くらいは赤字だったという事もあるが、年間通してほぼ無い。
そもそも事業を安定的にやっていく上で、経費は限りなく押さえなければならない。高級車を買い、ハイブランドの服に身を包まれ、衣装費を惜しみなく使うと、コロナのような事態になった時に死んでしまう。
スタイリストの中には、タクシー代に月50万円使う人、駐車場代に毎日5000円使う人もいるが、経費が圧迫して利益が減少する。
利益が減少すると、良いサービスにお金を当てられなくなる。それは避けたいものだ。

撮影予算は各媒体によって全然違う、衣装費が出るものもあれば、全く出ないもの、衣装費も込みでギャラが、決まっているものなど様々だ。
「あっちの撮影で【衣装費】が出るから、こちらの撮影に当てる!」なんてやっているスタイリストは沢山いるが、オススメしない。
各媒体内で必ず利益を出せるよう頭を使うのだ。
ただ、自己プロモーションとして「多額の衣装費を使ってでも、可愛いくしたい!」という撮影がある場合は、仕方ない。そういう場面も来るだろう。
基本的には作品のため作品のためと考え、経費を消耗すると疲弊する。よって撮影1つにつき必ず、7割は利益が出せるように頑張って行きましょう。
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