久しぶりにアイドル雑誌の撮影だった。津野のアイドル誌の歴史は、女優広瀬アリスさんから始まる。アイドル雑誌BLTの仕事を事務所指名で頂き、編集者と仲良くなった。そのうち、直接編集から仕事を頂くようになり、10年に渡ってBLTに世話になった。
毎回出される奇想天外な企画に洋服を合わせる為、倉庫は多種多様な物が集まる様になり、今のお貸しやの礎となった。
そのうちBLTの編集者が、マガジンハウス(anan、Tarzan)に行ったり、イマジカインフォス(声優誌)に行ったり、芸能プロダクションのマネージャーになったりして、そこからもお仕事を頂く様になり、今の弊社を支えている。
更にBLTで知り合ったカメラマンからも、沢山の仕事を紹介頂けるようになった。女優の仕事1本が、スタイリストの人生を限りなく広げてくれた1例である。
津野は学生時代、芸能オタクでタレントに憧れる少年だった。広末涼子さんの切り抜きを集め、アイドル雑誌を買い漁り、芸能学校にも通っていた。それが15年経って、いつの間にか彼等の露出のお手伝いをする様になった。
アイドル誌をやっていると、津野としては原点回帰になるので、とても居心地が良い。スタイリストを始めた頃は まさか、老若男女問わず仕事をするスタイルになるとは夢にも思わなかった。しかし、頼まれ仕事を精一杯やる事で、スタイリストとしての道が波状に拡がる事を身をもって知った。
「自分がやりたい世界の事を考えていると、そこに導かれるように開かれて行くのが人生なんだなぁ」と思うのである。

アイドル雑誌も,JUNON、MYOJO、BLT、ボム、アップトゥボーイなどなど様々。今回はアップトゥボーイで坂道系のアイドルだった。
アイドル誌は、基本的に2体〜3体が多く。
部屋着、外着、清楚着のような形で違う一面を披露する形で展開される。アイドルが身近に感じる事を目的とした媒体なので、親近感のある服が求められる。
理由は、購買層にオタクが多く。水々しさや可愛らしさを求める大人が大半を占めるからだ。ここに刺さらない服を持っていったらリピートはない。
つまり、ダーク系の服、モード系の服、ロック系の服は持って行ってはいけない。柄のキツイ服、過剰な重ね着もオシャレすぎる。読者はアイドルの柔らかさ、笑顔、爽やかさを見たいからである。
たまに企画で、レザーブルゾンで男らしくとか、ゴスロリでブリブリに、、、なんて要望もくるが、たまにである。この空気感で誌面の大半を消費したら、全く売れず存続の危機に瀕するだろう。
「爽やかでお洒落すぎず素朴。」あるいは、「一般人の服よりは奇抜だけど、オシャレすぎない」を狙って物集めする必要がある。
具体的には、白やペールトーンのワンピース、ヒールではなく、スニーカー。ツルツルのパジャマよりは、モコモコのパジャマかTシャツ。と言った感じで、接しやすさが出る服を選ぼう。仕事は、何事もお客様ファーストで進めないといけない。

今回の指名は、2年ぶりの編集者からだった。よく思い出してくれたもんだ。おそらくお盆期間中の事務所からの依頼で、服を集める時間が作れないスタイリストが多かったために、「ピンチの時の津野さん」が頭に浮かんだのだろう。どんな理由にせよ感謝である。
今回はリピートまでに時間がかかり過ぎたので、フックを🪝投げておいた。フックとはYouTubeである。
YouTubeを宣伝し会話を広げ、次回の撮影の時にはカメラを入れて良い許可を頂いた。スタイリストと編集の間に些細な約束があれば、思い出すキッカケになるかもしれない。
更に、最近の推しの芸能人を聞かれたので、次回キャスティングのサポートもした。編集者は3歩先を見て早目に動いている事を、改めて知るきっかけとなった。
他誌よりも、いち早く伸びるタレントを青田買いをして撮影しておこうという魂胆だろう。素晴らしい嗅覚である。我々スタイリストもその気持ちは忘れてはならない。
今回はスケジュールが上手くはまり、頭から最後まで入れたので、十分なアプローチはできたと思っている。
1人のお客様の先には300人のお客様がいる。その言葉を信じて、目の前の1人を存分に楽しませて行ければ幸い。
今やすっかり数が減ってしまったアイドル誌を、復活して行ければ嬉しい😆

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