撮影はランダムにスタッフが集められる。特に雑誌撮影では編集が仕事しやすい人が集められ、テレビでは,お馴染みの数人がスケジュールの空いた順に集められる。
いつも会っているメンバーなら良いが、初めましてのスタッフがいる場合、自分の仕事だけに集中しているとカメラマン、ヘアメイクと話さずに1日を終える事もある。
スタイリストは空き時間に、リースのアポイント、アイテムのリサーチ、クレジット入力などの作業も入るので、能動的に話そうとしないと話す時間はない。しかし、仕事は社会活動なので、これでは広がって行かないわけだ、、、。
スタッフ間の雑談はキャリアを積み上げていく中で、とても重要で「トークでしか信頼関係は生まれない」ので、撮影中でも極力話さないといけない。
ただ,アシスタントは作業をしながらのトークになるので慣れるまでは大変である。
そんな中、知らない人から➡️知っている人になると以降は楽で、少し粗相があっても多目にみて貰えたりする。
この感覚は、引っ越した時のご近所挨拶に似ている。引越し先のご近所付き合いとして“お菓子”を持って挨拶に行った事はあるだろう。あれは、何のために行くのか考えた事はあるだろうか?
「コレから仲良くする為」「怪しいモノではないと虚勢を張る為」「何かあった時に助けて頂くため」色々な解答が並びそうだが、1番は「自分を守る為」である。
その理由は、挨拶に行っておけば、例え騒ぐ日があっても 大目に見てくれる。しかし、挨拶に行かずに騒いだ時は、ご近所にとっては「知らない人のタダの【騒音】」になり得る。
ここで大事な事は、知っている人の「うるさい」は騒音にならないと言う事。知らないから「騒音」として扱われるという事だ。
つまり、撮影隊の挨拶も同じ事で 皆が集まった集合時間に軽くでも自己紹介していれば、トラブルがあった際に迷惑と思われない。
せっかく集められたスペシャリストの中で、万が一「このスタイリストやりづらっ!!」なんて思われたら、自身の仕事のリピートにも影響する。
朝一のアイスブレイクは1日の始まりとして、凄く重要な事なのだ。
「人は知らない人に対して異常に厳しい」という事を知っているおこう。

これの進化系が日常の挨拶である。毎朝笑顔で「津野さん!おはようございます😃」と“名前付きで呼んだ上に笑うアシスタント”がいたが、これを毎回やられると津野も人間なので、他と差別してしまう。差別というのは、故意に可愛がるという事だ。
その上で、この様な人が失敗しても「こちらも怒る気になれない、、、。」結果として、笑顔で挨拶した本人が気分良く仕事が出来る。
この様な身内が身近にいると気分も上がる。いつも言うように、他人の温度を上げる人間というのは価値があるので、マネージャー達も「彼女は良いね」と、結局本人が恩恵を受けていた。
この一部始終をみて「彼女は今後の人生でもずっと可愛がられるんだろうな、、、」と思うわけだ。
このやり取りを体験し、津野は娘、息子に対し、必ず朝一は笑顔で迎えるようにしている。これは、もう5年くらい続けている。
彼等が大きくなった時に、「父ちゃんはいつも笑っていたから、私は気分が良かったんだな、、、」と気付いてくれる事を願っている。
ほとんどの人間が「名前を呼んで、笑顔で挨拶」が出来ないので、出来る人間が1人勝ちしてしまう。ここに関しては親が教えるべきスキルなのかもしれない。
ビジネスは貸し借りなので、先に貸しを作れる人間は強いのだ。

では具体的なアクションプランは何処からやれば良いだろう。それは、心から好きな相手からで良い。津野は子供達が好きなので、彼等の前では、“必ず朝一は笑顔で挨拶”を始めた。コレを皮切りに家族以外でも、好きな人から順に“笑顔で挨拶”を続け習慣を作れば,多くの人に挨拶出来るようになるだろう。
しかし、時に不毛な朝だってある。。。寝れなかった時の朝の挨拶。プライベートでモヤモヤしている時の先方との挨拶。この様なケースでは、状態が悪いため、当然笑顔にはなれない。。。それはそれで仕方ない。出来るところからやるで良いと思う。
眼を見開き、口角を上げ挨拶をする。その表情とトーンが他者の1日を幸せにする事を忘れてはならない。

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